この記事では、小笠原へ6回訪れ、おがさわら丸にも6回乗船した僕が、船内施設や船旅の楽しみ方を詳しく紹介します。
24時間の船旅を、ただの移動ではなく、小笠原旅行を彩る思い出の一つにできるよう解説していきます。
初めて小笠原を訪れる方の参考になれば幸いです。
小笠原でダイビングしたい方はこちらもおすすめ!
おがさわら丸の概要

おがさわら丸は、東京と小笠原諸島を結ぶ唯一の定期船です。現在、小笠原へ向かう交通手段はおがさわら丸しかなく、飛行機は就航していません。そのため、小笠原へ旅立つ人は誰もが約24時間の船旅を経験することになります。
東京・竹芝桟橋を午前11時に出港し、翌日の午前11時頃に父島・二見港へ到着。片道約1,000km、24時間をかけて太平洋を南下する、日本でも珍しい長距離フェリーです。
「24時間も船に乗るなんて退屈そう…」
初めて小笠原へ行く方なら、誰もがそう思うかもしれません。
しかし実際に乗ってみると、この24時間こそがおがさわら丸最大の魅力でした。
都会の景色が少しずつ遠ざかり、水平線へ沈む夕日を眺め、夜は満天の星空、翌朝には水平線から昇る朝日を迎えます。そして24時間後、海の向こうに父島が姿を現した瞬間は、まるで大航海時代の探検家になったような気分になります。
目的地へ向かう「移動時間」ではなく、旅そのものを楽しむ時間。
それがおがさわら丸です。
おがさわら丸乗船への予約と準備
小笠原へ行くには、まずおがさわら丸の乗船予約が必要です。
最初に小笠原海運の運行スケジュールを確認しましょう。約半年先までの運航予定が公開されているので、希望する日程を決めておくことができます。
チケットは乗船日のちょうど2か月前から予約が開始されます。予約方法はインターネット予約と電話予約の2種類です。
インターネット予約は日付が変わる午前0時から、電話予約は午前10時の営業開始と同時に受付が始まります。
人気シーズンの発売日は予約が集中するため、営業開始直後の電話は非常につながりにくくなります。確実に予約を取りたい方は、日付が変わったタイミングでインターネット予約を利用するのがおすすめです。
また、おがさわら丸のチケットは旅行会社でも取り扱っています。特に小笠原旅行に強い「ナショナルランド」では、発売開始前からの予約受付や、宿泊施設とセットになった旅行プランも用意されています。自分で予約するのが不安な方はこちらを利用すると良いでしょう。
ゴールデンウィークや夏休みなどの繁忙期は発売直後に満席となることもあるため、旅行の日程が決まったら早めの予約がおすすめです。
小笠原海運の運行スケジュールはこちら
ナショナルランドのホームページはこちら
おがさわら丸であると便利な持ち物

おがさわら丸にはレストランや売店、シャワーなどの設備が整っているため、最低限の荷物でも24時間の船旅を過ごせます。しかし、実際に乗船してみると「これを持ってきて良かった」と感じるものもありました。ここでは、特におすすめの持ち物をご紹介します。
酔い止めエチケット袋
船酔いが心配な方は、酔い止めを持参しましょう。おがさわら丸は大型船なので比較的揺れにくいですが、海況によっては大きく揺れることもあります。
エチケット袋は船内各所に用意されていますが、心配な方は早めに手元へ置いておくと安心です。
スマートフォン・充電器・イヤホン・本
24時間の船旅では、動画を見たり本を読んだりする時間がたっぷりあります。
船内では電波が通じなくなるため、動画や映画は事前にダウンロードしておきましょう。充電器やモバイルバッテリーも忘れずに持参しましょう。
カードゲーム
同行者がいるならトランプなどのカードゲームで過ごしたりするのもおすすめです。長時間の船旅だからこそ、時間を楽しめるアイテムがあると快適に過ごせます。
膨張式ネックピロー
船内には枕が用意されていますが、小さめで硬く感じる人もいます。寝具にこだわりがある方は、空気で膨らませるネックピローや携帯枕があると快適です。
毛布は有料でレンタルできるので、寒がりの方は利用するとよいでしょう。
タオル・歯ブラシ
シャワールームにはシャンプー・リンス・ボディソープが備え付けられていますが、タオルや歯ブラシなどのアメニティは持参する必要があります。
水筒
夏場は特に、水筒があると冷たい飲み物を長時間持ち歩けて便利です。氷も販売しているので、水筒に補給することも可能です。
おがさわら丸の施設
客室
おがさわら丸は、2階から屋上の8階まである大型客船です。客室は7デッキから順に、特等・特一等・一等・特二等・二等寝台が配置され、4〜2デッキには二等和室があります。それぞれ設備やプライベート性が異なるため、予算や旅のスタイルに合わせて選ぶことができます。
僕はこれまで特二等までしか使ったことがありませんが、特二等でも十分快適に過ごせました。もちろん上位グレードはさらに快適だと思いますが、料金のバランスを考えると、特二等でも満足度は十分高いと感じています。

2等寝台のベッドはカーテンで仕切られた半個室で快適に過ごせます。

室内にはACアダプタと手元用のライトがあり、本を読んだり、スマホを充電しつつ動画視聴をすることができます。

2等和室は軽い敷居がある程度ですが、寝るだけなら十分です。
レストラン

2階にあるレストランChichi-jimaでは、和食から洋食まで幅広いメニューが用意されています。長い船旅でも、出来たての温かい食事が食べられるのは嬉しいポイントです。朝・昼・夕食時にオープンしています。

展望ラウンジ

7階にある展望ラウンジ「Haha-jima(ははじま)」は、乗船客がゆったりと過ごせる憩いのスペースです。軽食やアルコール、ソフトドリンクも販売されており、景色を眺めながらくつろぐことができます。

グループ旅行なら、このラウンジで集まって過ごすのがおすすめです。大きなテーブルは予約制なので、利用したい場合は乗船後に早めに予約しておくと安心です。

サンドイッチやおにぎり、パスタ、スープなどが販売されています。
売店

ショップドルフィンでは、お酒や飲み物、お菓子、冷凍食品などを購入できます。おがさわら丸限定のTシャツやオリジナルグッズも販売されているので、旅の記念やお土産にもおすすめです。
シャワールーム

各デッキにはシャワールームのほか、トイレや洗面所が設置されています。僕が利用した際は混雑することも少なく、快適に利用できました。
シャンプー・リンス・ボディソープは備え付けられていますが、タオルや歯ブラシなどのアメニティは持参しましょう。
自販機・給水所

船内には自動販売機のほか、電子レンジや給湯設備もあります。カップ麺や冷凍食品も販売されているので、小腹が空いた時や夜食に利用すると良いでしょう。
喫煙所
船内は基本的に禁煙のため、喫煙される方は指定の喫煙所を利用しましょう。船内には3ヶ所の喫煙所があります。
パブリックスペース
そのほかにも、ワークスペースやキッズルームなどの共有スペースが用意されています。24時間の船旅でも、それぞれのスタイルに合わせて快適に過ごせる設備が充実しています。
おがさわら丸の過ごし方
まずは景色を楽しもう
出港したら、まずはデッキに出て東京の景色を眺めてみましょう。

レインボーブリッジをくぐり抜けると、いよいよ東京湾を離れます。西には三浦半島、東には房総半島が広がり、都会の景色が少しずつ遠ざかっていきます。
海の色も徐々に茶色から深い青へと変化し、房総半島を過ぎる頃には、どこまでも続く大海原が広がります。
船旅が始まったことを最も実感できる時間です。
お気に入りの場所を見つけよう
景色を楽しんだら、船内を散策してみましょう。
展望ラウンジやワークスペースなど、船内には思い思いに過ごせる場所があります。

24時間という長い船旅だからこそ、「ここが落ち着く」というお気に入りの場所を見つけるだけで快適さが大きく変わります。
ラウンジを利用しよう
展望ラウンジでは、多くの乗船客が思い思いの時間を過ごしています。

仲間とトランプやUNOで遊んだり、お酒を飲みながら小笠原への期待を語り合ったりするのも船旅ならではの楽しみ方です。
グループで利用する場合は、大きなテーブルを早めに予約しておくと安心です。
持ち込みも可能なので予め食材を用意しておいても良いでしょう。
ショップドルフィンを利用しよう
売店「ショップドルフィン」では、お菓子や飲み物、お酒のほか、おがさわら丸オリジナルグッズも販売しています。
「おが丸Tシャツ」は人気のお土産なので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

人との縁が出来やすい
限られた空間、限られた通信環境、そしてたっぷりある時間。普段とは違う環境だからこそ、自然と会話が生まれます。
旅への期待でみんな気分が高まっているので、初対面でも話しやすく、旅仲間ができることも珍しくありません。
夕日は必見

天気が良ければ、ぜひ水平線へ沈む夕日を見に行きましょう。船内には日の入り時刻が掲示されているので、30分ほど前からデッキへ出るのがおすすめです。
海の上から見る夕焼けは本当に美しく、空と海が真っ赤に染まる光景は大事な思い出になるでしょう。
夕食のお時間

お値段はそれなりに張りますが、船の上で食べられる価値を考えたら決して高くないと思います。

夕食はレストランChichi-jimaでどうぞ。僕はいつもさっぱりとした父島塩ラーメンで締めています。
あとは思い切り寝るだけです
夜はみんな寝ているので物音を立てたり、船外に出たりしないようにしてなるべく早めに就寝しましょう。
本を読んだり、予めダウンロードしておいた動画を見たりして楽しむのもありです。手元ライトもACアダプターもついているので、イヤフォンさえしておけば、夜な夜な見たかった動画を未漁るのもありです。
朝日は見ておこう
きっと寝過ぎと興奮で、早く目が覚めてしまうことでしょう。そんな時は朝日を見に行ってみましょう。水平線から浮かぶ朝日を眺めれば、これからどんな旅が待っているのか期待が更に膨らむでしょう。
朝食はレストランChichi-jimaで

朝7:00から営業しているので、お腹が空いたらレストランchichi-jimaへどうぞ。和食セット・洋食セットから選べます。
最後は景色を見ておこう

朝食を食べて身支度を整えれば、もう小笠原の島影が見えてくる頃です。船の外に出て景色を楽しみましょう。ボニンブルーと呼ばれる真っ青な海が出迎えてくれます。この長い船旅を経て、島が見えた時は一番ワクワクする瞬間です。
父島の前に最初に登場するのが聟島列島です。いくつかの岩礁から形成されており、雄々しい表情がまた、冒険心をくすぐります。
島が近づくにつれて、鳥の姿が見え始めます。船と並走するように飛ぶ見慣れない鳥は「カツオドリ」です。
熱帯域を好むこの鳥は本州ではなかなか見ることができません。水面を除くと時々鳥のようなものが飛ぶのが見えます。これはトビウオです。初めて見た時は「こんなに飛ぶのか!」と感動しました。
10時頃になったら下船の準備で一度お部屋に戻りましょう。着岸作業があるため、しばらくは部屋で待機しアナウンスに従い下船していきます。

おがさわら丸最大の見どころ「感動のお見送り」
小笠原旅行のフィナーレを飾るのも、やはりおがさわら丸です。
旅を終えた僕らを乗せて、おがさわら丸は、15時に父島・二見港を出港します。その出港の瞬間に行われるのが、小笠原名物ともいえる島民や現地スタッフによるお見送りです。
乗船したら、お見送りがよく見えるように父島側(港側)のデッキや通路で場所を確保しておきましょう。
15時、汽笛が鳴り響くと、おがさわら丸はゆっくりと岸壁を離れます。
すると、ダイビング船や遊覧船などが次々とおがさわら丸へ近づき、並走しながら手を振って見送ってくれます。
ダイビングでお世話になったガイドさんや宿のスタッフが笑顔で手を振ってくれる光景は、小笠原で過ごした時間を思い出させてくれる感動的な瞬間です。

船が沖へ向かっても、最後まで船を追いかけながら手を振り続けてくれる姿を見ていると、「また必ず帰ってきたい」という気持ちになります。
私もこれまで何度か小笠原を訪れていますが、このお見送りを見るたびに胸が熱くなります。
これこそが、おがさわら丸、そして小笠原旅行の最後を締めくくる最大の見どころです。

その後は、24時間の帰路へ。
行きとは違い、帰りの船旅は旅の思い出を振り返る時間になります。写真を見返したり、仲間と旅を語り合ったりしながら、ゆっくりと東京へ戻りましょう。
まとめ
おがさわら丸は、東京と小笠原を結ぶ唯一の定期船であり、約24時間をかけて島へ向かいます。
一見すると長い移動時間に感じるかもしれませんが、船内にはレストランやラウンジ、売店などの設備が充実しており、景色を眺めたり、本を読んだり、仲間と語り合ったりと、それぞれのスタイルでゆったりとした時間を過ごすことができます。
水平線に沈む夕日や昇る朝日、父島への感動的なお見送りなど、おがさわら丸でしか味わえない景色や体験も数多くあります。
僕自身、小笠原を訪れるたびに感じるのは、「おがさわら丸に乗ること自体が旅の楽しみの一つ」だということです。
これから初めて小笠原へ向かう方は、ぜひ24時間の船旅も含めて、小笠原旅行を思い切り楽しんでみてください。きっと、おがさわら丸が旅の忘れられない思い出の一つになるはずです。
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