伊豆半島27のダイビングスポットを解説。全ての海でガイドしてきたインストラクターが経験談と現場の写真を通して語る、それぞれのポイントの魅力と注意点。
東伊豆エリア
伊豆山

熱海の少し北に位置する伊豆山。知名度が低い穴場的なダイビングスポット。関東方面から好アクセスな上に本格的なボートダイビングが楽しめる。ビーチダイビングは無いので講習ではなく、ファンダイビングで楽しみたい。初心者〜フォト派ダイバーにおすすめのスポット。
ソフトコーラルが多く華やかな海

おすすめポイントは「沖根東」で、深度23mから7mまで立ち上がった中規模の根には生えものが非常に多く、種類も豊富で、あまり他のエリアでは見かけないような、ヤギやトサカ類を見かける。ワイド撮影では伊豆らしい水中のお花畑を狙ってみたい。



ねっちりマクロが最高の海
沖根東を中心に北に行けば大黒根や、南側は沖根南と三ヶ所がメインポイントになっている。どこも最大深度は20mちょっとなので、マクロ派のダイバーにもおすすめ。ナイトロックスも使用可能で、ねっちりダイビングは最高に楽しい。

初めての伊豆山でいきなり、レアなゴマフビロードウミウシを発見。近年減ってきている伊豆半島のウミウシだが、伊豆山では現在でもウミウシ達が元気。
伊豆山の海は生えもの中心の被写体選びから、ウミウシダイビングまでマクロ撮影を思う存分楽しめる。


熱海

東京駅から新幹線でたったの40分。都内近郊から最も近いダイビングスポット熱海は、沈没船、洞窟、高低差の高いダイナミックな根まであり、伊豆半島を代表するビッグポイント。
ダイビングスタイルはボートダイビングがほとんどで、講習やトレーニングよりもファンダイビングで楽しみたいスポット。
絶対に一度は”潜るべき”ド迫力の沈船
熱海の名所、「沈船」は国内で2番目に大きい沈没船で、ダイバーなら一度は潜ってみたいポイント。深度が深くダイビングコンピュータを正しく理解し、浮力のコントロールが十分にできる状態で挑みたい。


初心者でも安全に楽しめる「小曽我洞窟」

沈船と違い初心者でも潜りやすいのは小曽我洞窟。当店では小曽我洞窟でチェックダイビングをしてから沈船にチャレンジする流れでプランを立てることが多い。
熱海スキューバの施設
熱海のダイビング施設やボートやタンクの手配を行っているダイビングサービスは、当店が利用している「熱海スキューバ」と「熱海ダイビングサービス」がある。都市型ショップや当店でも頻繁に使っているポイントなのでショップ経由で潜ってみたい。


初島

熱海から日帰りで行ける静岡県唯一のアイランド「初島」はダイビングだけでなく、食事や観光も含めて楽しみたい。
ダイビングスタイルはビーチなので、初心者にも優しいスポット。おすすめのダイビングポイントは「フタツ根」。大きなゴロタと砂地から構成されるポイントで、最大で最大深度も23m程度と比較的浅い。ワイドな景色ではタカベの群れが見事で、タイミングが合えば目の前を覆いつくす魚群と遭遇することができる。
マクロが楽しいポイントで、カエルアンコウ、ピカチュウなど人気の被写体が常駐してくれ、フォトネタに困ることはまず無い。現地ガイドの眼力も高く、生物ネタが豊富にあるのがありがたい。



観光客も多い初島ではアフターダイビングに食事できる、地物海鮮料理やさんがたくさんある。特に獲れたてのアジとイカは絶品なのでぜひ食べてみてほしい。
アフターダイビングは海鮮を食べたり、島を散歩するのが初島の楽しみ方。
宇佐美
宇佐美はビーチからボートまで幅広く楽しめるダイビングスポット。ビーチは浅く、初心者でも安全なダイビングができる。ボートダイビングではソフトコーラルが美しく、中級者以上の方やフォト派ダイバーにおすすめ。
伊東

東伊豆の横綱的ダイビングスポット。穏やかで深度の浅いビーチは講習や初心者でもOK。ダイナミックなボートダイビングはファンダイビングで楽しみたい。
お魚パラダイスの「白根」
伊東のメインポイント白根は水底70mから立ち上がった巨大な岩礁。根頭付近ではキンギョハナダイ、タカベ、イサキなどが常駐し、水族館の中でダイビングしているような魚群を見ることができる。南面は直角に70mまでドロップオフしていて、中層を泳げば空を飛んでるような浮遊感と、ドキドキ感を味わうことができる。


ソフトコーラルパラダイスの「ゴトウジ根」
五島根は、伊豆半島トップクラスでソフトコーラルが美しいポイント。ウミトサカやヤギの仲間が岩礁を覆い尽くし、ワイドで撮影では色鮮やかな風景を切り取ることができる。
深度が深いので中性浮力をマスターし、ダイブコンピュータを使いこなしている必要がある。


キューブ魚礁

キューブ魚礁もウミトサカがすごい。ネンブツダイやアカオビハナダイなどの魚影も絡むのでぜひ、ワイド撮影で狙っていきたい。
ソフトコーラルの咲き具合は潮周りと、照度によって変わるので良いタイミングを狙って何度もチャレンジしてみたい。


伊東ダイビングサービスの施設
伊東のダイビングをサポートしてくれる伊東ダイビングサービスはお風呂や室内休憩スペースなどあり快適に使うことができる。


川奈

東伊豆を代表するメジャーポイント川奈。川奈は岬に囲まれた地形になっているため、穏やかで深度が浅く初心者でもとても優しく潜りやすいコンディションの日が多い。
伊豆でウミガメと言ったらここ川奈
ビーチダイビングなのにウミガメと高確率で出会うことができ、ダイビングショップも多いので、伊豆のダイビングが初めてだったらまずは川奈に訪れてみたい。

10年以上同じ個体が住み着いている。毎年数は増えて、暖かい時期は特に高確率でウミガメと出会うことができる。
深度も3〜5m程度にいることが多く、初心者や体験ダイビングでも射程圏内なのはすごい。


ボートポイントは「ウバコーラル」がおすすめ
港から数分の距離にあるウバコーラルは人工魚礁が沈んでいて、賑やかなソフトコーラルが出迎えてくれる。ボトム水深20m程度と深すぎず、湾内なので穏やかで、カレントも無い。初心者でも安心して楽しめるボートポイント。

見事なソフトコーラルで覆われた川奈の人口魚礁。水中ライトがあると本来の色が再現され、美しい姿を観察することができる

川奈ダイビングサービスの施設
伊東漁協が運営している川奈ダイビングサービスは更衣室からトイレ、シャワーなど十分な施設が整っている。川奈にはローカルショップが多く10軒以上あり、フォト派に特化したお店から、講習や初心者に向きのお店など、バリエーションがあるのでニーズに合わせてショップを選んでみてほしい。


富戸
富戸のダイビングの歴史は古く、日本にダイビングが持ち込まれた当初からダイビングポイントとして使われていた。城ヶ崎海岸のスタート地点に位置し、潮通しが良いため良好な透明度と、様々な生物に恵まれた東伊豆のダイビングのメッカ。東に突き出た岬が波風をブロックし、穏やかな海況に恵まれやすいのもダイバーが多く訪れる理由の一つ。
伊豆海洋公園

日本のダイビング発祥の地
伊豆海洋公園、通称「IOP」と呼ばれる伊豆半島の最大級のダイビングスポット。ビーチダイビングしかないがその懐は深く初心者〜上級者まで幅広く楽しめる。
大室山の溶岩流が流れ込んでできた地形で、溶岩から形成された大きな岩礁は一気に深場まで落ち込んでいる。
限りなく深場まで続いていくので、ナビゲーションには注意が必要だが、外洋性生物のアクセスが良く、ビーチでありながらも時にハンマーヘッドシャークやマンボウなどが出現する。ハナダイの仲間が豊富でディープダイビングではレアなマダラハナダイやキシマハナダイなどを観察することもできる。





八幡野
八幡野は城ヶ崎海岸の中にあり、富戸や海洋公園と同じく溶岩流でできた雄々しい海。張り出した堤防の内側からエントリーするので初心者でも潜りやすく、ビギナーからフォト派ダイバーまで安心してダイビングすることができる。
ビーチダイビングスタイルがメイン。ボートはビーチと一転してダイナミックな地形が楽しめる。
赤沢
北川
菖蒲沢
西伊豆エリア
獅子浜
平沢

アクセス良し、クローズ無し、困った時はここ平沢
平沢はビーチからボートまで幅広くダイビングが可能なスポット。とにかく波風に強く台風などが接近していても穏やかで、ダイビングが可能。年間を通してクローズする日はほとんどない。アクセスが非常に良く、都市型のダイビングショップや、伊豆半島中のダイビングショップが訪れる。
ビーチポイントはまさに砂浜のビーチからエントリーでき、初心者や講習には最適。一転してボートはディープダイビングを楽しむことができるので初心者から上級者まで誰でも楽しむことができる。
講習に最強なビーチポイント

ほぼプールのような安定したコンディションの平沢ビーチ。手前は最大でも水深3mと浅く、非常に安全度が高い。ヘッドランドを越えると、急傾斜で12mまで落ち込む。この傾斜で耳を痛めやすいので初心者は注意してほしい。ヘッドランドの外の魚影は非常に濃く、メジナ、クロダイ、スズメダイが視界を覆い尽くすように群れている。
平沢ボートの「淡島」は他では見られない特異な光景が
ビーチも魚影が濃く面白いが、ボートは特におすすめでオオミナベウミトサカという珍しいソフトコーラルが繁茂している。湾内の特殊な地形が起因なのか、他ではほとんど見ることができない珍しい光景だ。

オオミナベウミトサカのポリプが開いているタイミングで、アカオビハナダイやウミトサカを上手く絡めると、とても素敵なワイド写真が撮影できる。うまく写真が撮れていないのが残念でまたリベンジしたい。


ダイビングサービスの施設もとても使いやすい
平沢ダイビングセンターの施設は新しく、お風呂、シャワー更衣室など広くて使いやすい。室内レクチャールームもあり寒い季節でも過ごしやすい。キャパも大きいので多くのダイビングショップが訪れる。


大瀬崎

誰もが一度は潜るダイビング西伊豆の横綱ポイント
大瀬崎は駿河湾に大きく突き出した岬。潮通しの良い先端、湾内の穏やかな環境、急深な地形により、大瀬崎だけで伊豆半島のダイビングの全ての生物を完結するほどの多様性に富んでいる。
先端から外海にかけては一気に深場まで落ち込んでいて深海の生物などがコンタクトしやすい。マンボウなどの大物からリュウグウノツカイなどの激レア生物まで年間を通して話題とネタに事欠かない西海岸の大場所。
マクロ生物に特化した湾内
湾内は初心者でも安心のイージーポイント。しかしマニアックな生物も多いので上級者でも面白い。




「先端」のポテンシャルは半端じゃない

先端のソフトコーラル、特にウミトサカ類が見事。魚影もすこぶる濃くビーチとは思えないポテンシャルの高さ。ハナダイ&ウミトサカの映え写真をワイド撮影で狙ってほしい。


井田

井田ブルーと呼ばれる透明度の高い海
陸の孤島と呼びたくなるほど断崖絶壁に囲まれた小さな集落井田。潮通しが良く、近くに川も無いため年間を通して非常に透明度が高い。黒潮が駿河湾に入れば、真っ青な井田ブルーの海でダイビングができる。
ビーチダイビングのみで、ボートポイントは無いが最大40mまでのディープダイビングができる。ソフトコーラルや生物層が豊かでフォト派ダイバーに愛される人気ポイント。
フォト派に愛される井田の海
井田の海を潜り込んでいるフォト派ダイバーがたくさんいるので、いつも生物情報に事欠かない。マニアックな生物からアオリイカや、魚群などのワイド撮影まで年間を通して楽しめる。





井田のダイビングを提供してくれるのは井田ダイビングセンター。フォト派向きのガイドが得意で、スタッフもカメラに詳しいので、写真が上手くなりたい方やじっくり撮影をしたい方にはおすすめ。
施設も更衣室、室内休憩スペースなどいつも綺麗で気持ちよく使える。
土肥
田子

西伊豆イチのダイビングスポット田子
伊豆半島、西海岸の中央ほどに位置する田子は、西伊豆で最もダイビングショップが多く、ダイビングが盛んなスポット。その理由は外洋から湾内まで、様々なコンディションで潜れる多様性。湾内のポイントは風やうねりに強く、クローズしにくい。外洋ポイントは潮通しの良い沖合に位置しているため、回遊魚や時にハンマーヘッドシャークも出現する大場所。
田子でしか見れない景色、狙いたいサクラダイ

田子のメインポイント太根では、伊豆半島を代表する魚と言っても良いサクラダイが、高密度で群れる。産卵を迎える秋シーズンのオスの集まりはここでしか観察できないオンリーワンの景色。
サクラダイのポイントはリスクが高いため、特別なトレーニングを受けたダイバーのみ行くことができるハイレベルなポイント。
ウミウシパラダイスの「三の浦」
太根と一転して三の浦は、水深も浅く初心者でも楽しめる。洞窟、クレパスなど複雑な地形は潜っているだけでもワクワクするが、その壁はウミウシの宝庫で壁に張り付いてしまうこと間違いなし。何分潜っても時間が足りないと感じてしまう。(冬季)
田子のダイビング施設


田子にはダイビングを提供しているダイビングサービスとダイビングショップがたくさんあるのでショップ選びに困ることはないだろう。サンライズはいつも田子ダイビングセンターにお世話になっていて乗り合いでガイドさせてもらっている。


浮島(フトウ)

伊豆半島No.1のウミウシスポットと言ったらここ浮島
ウミウシ好きなら何度も通いたいウミウシスポット。浅い湾内でのビーチダイビングではNDLやエアを気にすることなくひたすら壁に張り付くことができる。伊豆らしい景色のプライベート感あふれる浮島のビーチでがっつりロングフォトダイビングを楽しみたい。



湾内の藻場や、ゴロタにはミスガイやキセワタ、モウミウシなどもいて、洞窟内にはイロウミウシ系からウミコチョウなど様々なウミウシが生息している。1ダイビングで20種類以上見られることもある。季節ごとに移り変わっていくウミウシの姿を追いかけていくのが楽しい。
ボートポイントもウミウシの宝庫


ビーチのみでがっつりロングダイビングを楽しむのもあり、1ビーチ1ボートで違った種類のウミウシを楽しむのもあり、タイミング次第でプランニングしてみよう。
堂ヶ島
雲見

西伊豆でファンダイビングを楽しむなら雲見は外せない
西伊豆の最南端は雲見。大瀬崎や伊豆海洋公園と共に最も古くからダイビングが盛んでボートダイビングポイントとしては田子と並ぶ人気スポット。初心者から楽しめるのでレベルを気にせず潜ってみてほしい。
伊豆半島NO.1のケーブダイビングスポット
雲見のケーブはバリエーションも多く、シンボルの牛着岩周りだけでも大穴、小穴、クレパス、H穴、24アーチ、縦穴と6種類のバリエーションがあり、三競というポイントにも4つのホールがある。
メインポイントの牛着岩のケーブ


エアホールを持つ三競(さんきょう)


写真上)三競の3番洞窟はロングケーブで最奥部にはエアホールを持つ。一度水面に顔を出してみると、そこは岩盤の中。不思議な空間が広がっている。
少し遠い黒崎はサンゴからケーブ、プチドリフトが楽しめる

メインポイントの牛着岩から少し離れた、「黒崎」もおすすめ。浅根の上にはテーブルサンゴが広がり、南国のよう。
固定ブイが無いのでイージーなドリフトダイビングができ、ドリフト練習にも向いている。
海だけじゃない、陸も楽しい雲見


潜って、温泉に浸かって、水平線に沈む美しい夕陽を眺め、新鮮な海鮮をいただく贅沢をぜひやってみてほしい。
南伊豆エリア
波勝崎

激流走るエキスパート向きの大場所。波勝崎は西海岸の中でも最も西側に突き出した岬。陸からのアクセスも困難、現地の船予約もなかなか取れない。クローズ率の高さ、潮の速さ、などなど、伊豆半島の中で、最も秘境と言えるポイント。昔は野猿園から船を出していたが、現在は伊浜港から漁師さんが船を出してくれる。
ここを潜らずして波勝は語れない「ベンケイ」


弁慶は波勝崎の先端沖合から僅かに顔を出す岩礁。ボトム水深は55mほどから水面まで立ち上がっている。潮通しの良い地形にこれだけの根が立てば、当然魚は集まる。
ほとんどダイバーも訪れないため非常に魚影は濃い。イサキ、メジナ、ニザダイ辺りが常駐だが、ハンマーヘッドシャーク、メジロザメもよくウロウロしている。カンパチやワラサなどの回遊魚も期待大。黒潮も入りやすく、透明度も非常に高い。
弁慶の南側には子弁慶と呼ばれる飛び根があり、イサキ、ハナダイの魚影はすこぶる濃い。ただしどちらも潮が早く、ダウンカレントも発生する上に深度も深い。きっちり潮を読めるガイドとゲストも相応の泳力が必要になる。
潮が早かった場合は三ヶ島というポイントに移動しよう。こちらはカレントが入りにくく、ネコザメやトビエイなども見れるので決して無理はしないこと。


妻良
中木
須崎

南国情緒漂う南伊豆のシークレットポイント須崎
溶岩の流出から成る雄々しい東伊豆と違い、南伊豆まで南下すると白砂広がる南国のようなビーチが増えてくる。有名な伊豆白浜の傍にひっそりと存在するプライベートビーチ九十浜が、須崎のダイビングポイント。深度は浅く、最大でも10m程度で波も無く穏やかで安全なので初心者でも安全度が高い。

高い透明度と浅い水深が、光を取り込み、沖縄で潜っているような感覚になる。何もない白砂のビーチでのダイビングは、ダイナミックさと対極、癒しのダイビングができる。

かつては「ダンゴウオ」の聖地だった須崎。ここに限らず伊豆半島のダンゴウオは、海藻と共にどこかへ消えてしまった。ダンゴウオの復活を祈りたい。
しかし白砂の癒しのビーチはただ浮いているだけでも癒されるので一度は潜って見てほしい。
神子元

ハンマーヘッドシャークが出る超一級スポット神子元島
神子元島は伊豆半島の沖合9キロ地点に浮かぶ無人島。黒潮が当たりやすく、伊豆半島で唯一高確率でハンマーヘッドシャークを狙えるスポットだ。ハンマーヘッドシャークの群れは年々規模が大きくなっていて、数百匹の群れと遭遇できることもある伊豆半島で最も大物が期待できるミラクルポイントだ。


ハンマーだけじゃない他の見どころ

10キロクラスのカンパチに囲まれるゲスト。ハンマーだけでなくその他の魚影の濃さは半端じゃない。視界を覆い尽くすタカベやイサキの群れ、巨大カンパチの群れ、ワラサのトルネード、キハダマグロやカジキが出ることもしばしばある。
難易度は高い。その理由は早い潮速

黒潮の影響を受けやすい神子元島は、黒潮が接近している時は激流と化し、難易度は一気に上がる。中性浮力はもちろん、エントリーやエキジットスキル、泳力、メンタル、エアの消費など、全てのダイビングスキルが高次元で習得できていることが前提だ。必ずガイドの指示に従い身勝手なダイビングは避けなければいけない。
神子元には神子元マリンサービス、神子元ハンマーず、海遊社、タートルフラワーの4船がダイビングを提供している。各サービスでガイドも行っているが僕らのようなショップの乗り合いも受けてくれる。


遠征
銭洲(ゼニス)

選ばれしダイバーのみがチャレンジできる幻のポイント
伊豆半島のダイビングの最終地点。もはや伊豆半島の範疇を超えているかもしれないが、幻の遠征ポイントを紹介しよう。その名は「銭洲」。
伊豆半島の先端から75キロ南下した地点に浮かぶ岩礁帯。ネープルス、ヒラッタイ、ダルマと呼ばれる岩礁をまとめて銭洲と呼ぶ。昔からここまで行けば魚が大漁で、銭になることから銭洲と呼ばれるようになった。
黒潮のド真ん中で激流に晒される過酷な海。それだけに、カンパチ、ヒラマサなどはもちろん、ハンマー、メジロザメ、近年はタイガーシャークも高確率で出会えるようになってきた。専門でダイビングをやっている船は無いので漁船をチャーターし、片道4時間以上かけて移動することになる。
予定を立てても出港できる可能性は低く、半分以上の確率でクローズになる。仮に行けたとしても潮が速すぎて潜れなかったり、時化の中でのエキジットを必要とされ、経験値、体力、泳力、精神力、全ての能力が問われる難所。
普通のダイビングでは物足りなくなってしまったクレイジーなダイバーが憧れる最高峰のポイントだ。





銭洲の海に果敢にチャレンジした逞しいダイバー。計画頓挫もありながら、特訓を重ね、念願の銭洲を攻略できた。
僕にとっても銭洲という難関は仕事という範疇を超え、プロとしての意地を賭けた挑戦であり、戦いだ。
ダイビングの楽しみ方は無限大。見たい魚を見に行くの良い、綺麗な写真を撮りに行くのも良い、水中でぼーっとして、日常の雑踏から抜け出すも良し。
ゼニスのような難しい海に挑戦し、強く逞しいダイバーを目指すのも一つのあり方だ。
本気になれる海が、伊豆半島にはたくさんある。ぜひみんなも伊豆の海を潜り込んで、自分のこだわりを発見してみよう。きっとダイビングがますます楽しくなっていくはずだ。
