ダイビング中のエアの消費量を改善する方法

女子ダイバー スキルアップ

ダイビングに少し慣れてくると気になってくるのがエアの消費量では無いでしょうか?

「自分だけエアが減るのが早い」
「他のダイバーに迷惑かけてないかな」
「もっと長く潜りたいのに…」

と感じたことはありませんか?よほど小柄な女性でも無い限り、ダイバーなら必ず一度はブチ当たる壁が、エア消費量です。

今すぐ改善できる方法から、長期的な改善策までエア消費に関する悩みを全て解決いたします!

一目瞭然、数字で見る自分のエア消費量

「そもそも自分がエアの消費が早いのかどうかが分からない」という方も多いと思います。まずはエア消費量を数値化してみましょう。

【エア消費量の基準】

7リットル以下 神|人魚レベル
7〜10リットル 非常に優秀|スーパーカブレベル
10〜13リットル 優秀|プリウスレベル
13〜15リットル 標準|アルファードレベル
15〜20リットル 早い|アメ車レベル
20〜25リットル 早急に改善する必要あり|トラックレベル
25リットル以上 危険なレベル|戦車レベル

計算方法
ログブックを見て、以下の方程式に当てはめて計算してください。

開始残圧−終了残圧×タンク容量÷平均深度の周囲圧÷潜水時間

開始圧(ダイビングのスタート時の残圧)
終了圧(ダイビング終了時の残圧)
タンク容量(使ったタンクの容量)
平均深度の周囲圧(平均深度を圧力に変換)
潜水時間(何分潜ったか)

何のこっちゃ?って感じですよね。大丈夫、例を出すので一緒にやってみましょう。昨日の僕のログデータをそのまま見てみます。

ダイビング時間 10:21〜11:05 潜水時間44分
開始残圧200 終了残圧80 使用圧120
平均深度 12,5m 平均深度の周囲圧2,25
(平均深度が12,5mの場合、海水面の1気圧にプラス1,25気圧増えているので合計2,25気圧となる)

では公式に当てはめてみましょう。

開始残圧(200)−終了残圧(80)×タンク容量(10)÷平均深度の周囲圧(2,25)÷潜水時間(44)=12,12

この12,12というのが一分間に消費しているエアの量になります。つまりこうなります。

僕のエアの消費量は【12リットル/分】

ずっと動かず写真をとっていたので、ギリギリ優秀レベルに入れましたが普段は14リットルくらいの日が多いです。このデータは運動量は考慮されていないので毎回計算して、自分の平均を把握しておくと良いでしょう。

さぁみんなは行くつになりましたか?

15リットル以上の方は改善を試みたいですね。

25リットルを超える方は、一般的なファンダイビングに参加すると確実に迷惑をかけるので、エア消費のトレーニングを行なってください。

この時点で一桁だった場合は、神レベル、改善の必要が無いのでこの先を読み進める必要はありません。

エア消費量が増える主な原因

エアが早いなと思った方は、原因から探っていきましょう。エア消費が早いダイバーには、次のような共通点があります。

身体的な特徴

  • 女性より男性の方が早い
  • 体が大きいほど早い
  • 歳をとっているほど早い

女性より男性の方がエア消費は早くなります。ただし女性でも早い方はいるので油断はできません。体は背が高い方も、太っている方もどちらもエアの消費が早くなります。年齢も顕著に関係していて、40歳を過ぎたあたりからエアの消費量が早くなってきます。

技術的な特徴

  • 呼吸が浅く、早い
  • 中性浮力が安定していない
  • フィンキック非効率

器材による変化

  • ドライスーツを着用している
  • オーバーウエイト(ウエイト過多)
  • 推進力の取れないフィンを使っている

その他の要因

  • 運動量の増加
  • 寒さ
  • 不安な状態
  • 体が力んでいる状態

身体的な特徴は変えることができませんが、その他の要因は全て改善できる余地があります。

エア消費が早いことにおけるデメリット

  • ダイビング時間が短くなってしまう
  • 周りの人に不満を与えてしまう
  • エア切れのリスクが高くなる
  • パニックにつながることも

エアの消費が早いのはダイビングにおいて圧倒的に不利で、特にゲストが気にしているのは

「チーム内で自分が一番早いのではないか?」

ということです。自分のせいで他のメンバーのダイビングが早く終わってしまわないか、ということが気になるんですね。

僕も始めたばかりの時はこれを嫌ってエア改善を頑張ったのを覚えてます。

エアの消費、改善策

最も効果が高いのが呼吸法

エアが早い人のほとんどは呼吸の回数が多くなっていることが問題です。燃費の良い人が1回換気をする間に、2回の換気をすれば、倍の速度でエアが無くなっていくという原理です。

よく間違えるのは、たくさん吸わなければ良いだろうと、ちょっと吸って吐いてみたりする人がいますがどちらかというと逆効果です。

目指すのは「ゆっくりとした呼吸」「細く長い呼吸」を心がけてください。

具体的には、吸う方か、吐く方の片方の時間を長くとってみてください。例えば普通に吸ってゆっくり吐いてみたり、ゆっくり吸って普通に吐いてみたりと、どちらか一方をスローダウンすると全体的にゆっくりとした呼吸を維持することができます。

プリウスまたは人魚レベルの人は、「吸う」方をゆっくりにして、吐く時は普通にやっています。ただ最初は難しく感じることもあるので逆でも構いません。

呼吸方法の改善はスキルではなく、意識するだけで始めることができます。エア消費の改善に即効性が高く、効果も抜群なのでまずはこれを試してみてください。

ここで一つ気をつけたいのは
「スキップ呼吸」

これは途中途中息を止めながら呼吸することですが、あまりやると酸欠で頭が痛くなったりしてしまうのでやめておきましょう。

中性浮力をマスターする

呼吸方法と同様に非常に効果が高い改善策です。いくらゆっくりとした呼吸を心がけても運動量が上がってしまったら、難しくなります。ゆっくりとした呼吸を維持するには、中性浮力というベース能力がなければできないのです。

ホバリングができるようになるとエアの消費はぐーんと良くなってきますのでいち早くマスターしてエアの消費も伸ばしていきましょう。

中性浮力の練習方法は以下の記事を参考にしてみてください

最も危険。中性浮力ができないとどうなる?
ダイビングライセンスの講習には合格したけど、なんとなく不安がある。実はそんな方はたくさんいます。具体的にあなたもこんな不安を感じていませんか?呼吸が苦しく感じる体力的にきついみんなの泳ぐペースについていけない体のコントロールが効かない耳が抜...

フィンキックを上達する

次に影響力のある要素はフィンワークです。これはなかなか技術がいるので一朝一夕では身につきません。潜る都度、意識しつつ少しずつ上達していきましょう。

レベル1バタバタキックをやめる

とにかくバタバタとした力技キックはやめておきましょう。あとは業界でよく言われる【チャリコぎ】キックにならないように注意してください。チャリ漕ぎとは膝が曲がりフィンがスライドしているだけで、推進力が取れないキックのことです。

レベル2毛伸びを使う

バタバタが落ち着いてきたら、毛伸びを使う練習をしましょう。ダイビングは通常急ぐ必要はありません。一度キックしたらすぐに次のキックに入らず、少しの間フィンを止めて毛伸びするのです。こうすることで運動量を減らし、エアの消費量に貢献することができます。

レベル3煽り足をマスターする

絶対に覚えておきたい最強フィンワーク。エアの消費が良い人は絶対にこのキックを使っています。平泳ぎのようにフィンを開いて閉じていく泳法です。よく上手い人がやっているのを目にすることがあると思います。早くは泳げませんが、疲れない、砂を巻き上げない、バックすることもできる、繊細なアプローチが可能になります。

マイフィンを購入しよう

レンタルなどで出されているストラップフィンはめっちゃ遅いです。ましてやプラスチックフィンだと最悪です。

推進力はプラスチック→ゴム→ウレタン→カーボンの順に上がっていきますが、ダイビング用だとゴムかウレタンがおすすめです。ストラップではなくフルフットフィンの方が断然早く進みます。

ダイビング業界では、初心者にはまず、「履きやすいですよ」とストラップフィンを販売して、その後に「こちら早いですよ」とフルフットフィンをお勧めするという、いにしえから伝わる販売方法が今でも伝承されています。無駄なので最初からフルフットフィンを購入しましょう。

技術でカバーできないところは道具でカバーすることも大事です。

ウエイトを適正にする

オーバーウェイトはエアの消費を早めます。原因としては、BCDにたくさんの空気を入れなければならず、水の抵抗が増すからです。

例えば1キロ余分につけていた場合、1リットルも余分に空気を入れなければなりません。初心者だと3キロくらいのオーバーウェイトはザラに見かけます。その場合大きな空のペットボトルを2本持ちながら泳いでいるようなものです。

抵抗が大きくなり進まない、姿勢が悪くなり進まない、運動量が上がり辛い、三重苦でエアの消費が早くなるのでオーバーウェイトは絶対にやめましょう。

適正ウェイトを知るには

全ての機材を装着し、BCDの空気を抜き切ってください。水面に浮いた状態で、息を大きく吸って止め目線程度で浮いていれば適正です。そのまま息を吐けば潜降するこが可能です。

適正ウェイトはスーツ、BCDによって大きく変わるので、マイ器材を購入したらまずは適正ウェイトをチェックしてもらいましょう。

全て試してそれでも早い場合は

ここにあげた改善策を全て試して、なおまだ早いという方や、上級ポイントにチャレンジするために更なるエア消費の向上を目指している方は長期的な改善を試してみてください。

男性でエアが早い場合
オフトレでのジョギングを行ってください。特にダッシュと軽いジョギングを交代交代やっていくと効果的です。肺の中の肺胞の機能を育てる効果があり、よりゆっくりと呼吸できる体質に改善することができます。当店ゲストでもこのオフトレでエア消費を改善してきた方が何人もいます。

女性でエアが早い場合
オフトレでスクワットをやってみてください。女性でエアの早い方は筋力がなくて心配に負荷がかかっているケースが多いです。筋力をつけることで、心肺への負荷が減り、ゆっくりとした呼吸を維持することができるようになります。ゲストで実際にエア&泳力がまるで別人のように改善された女性がいます。その方は毎日100回ずつ、今なお続けています。

エア消費改善策|まとめ

エアの消費量は体質や年齢も関係しますが、技術で克服することができます。

まずは呼吸法を意識しスローな呼吸を徹底することです。同時に中性浮力のスキルも磨いてきいましょう。適正ウェイトでダイビングをし、煽り足を覚えるとなお良いです。

エア消費の改善は、他のスキルに比べ、人によってはそれなりの時間と努力が必要になることがあります。ここに書いてあることを試してみて、あまり改善が見られないようだったり、さらにエアの消費量を伸ばしたい場合はご相談ください。

煽り足が上手くなりたい、エアの消費を改善したい、適正ウェイトをチェックしてほしいなど、他のお店ではできない高度なトレーニングもサンライズなら可能です。まずはスキル診断から行う1DAYコーチングからご参加ください。

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そーさん

インストラクター歴18年。沖縄で修行を積み、伊豆半島へと拠点を移す。伊豆のダイビングシーンに可能性を見出し、川奈を拠点にダイビングショップ【SUNla伊豆】を立ち上げる。現在はインストラクタートレーナー(インストラクターを教育できる最高資格)として若手インストラクターのコーチングだったり高度なダイビングのガイドやトレーニングを行っている。

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